異界からの少女―黒炎龍―
夜が明ける・・・
暗かった町にも光差し込み出す。
「ふにぃ〜!…よく、寝ました。」
「と、言っても小一時間ほどしか寝ていないがな」
「私はいつもこのくらいしか寝ませんから;」
「私は寝ないが・・・?」
「・・・・・・・・・体壊しちゃいますよ?;」
なんとも朝から呑気な会話が始まっている訳ではあるが・・・;
この2人…ちょっと常識から外れている;
子供はせいぜい8時間ほどは睡眠をとりましょう。
「さて・・・・行くか。黒識!!」
「わぁってるっての!」
屋根の上から黒識が飛び降りてくる。
・・・一体どこで寝ていたのだろうかと
一瞬、セツナも目を疑った。
「ぁ…ぇと・・・もう、行っちゃうんですか?」
「・・・少々用事があるのでな」
「・・・どこに?」
「山賊どもに・・・」
少しの沈黙が流れる
そして、先に口を開いたのはセツナだった。
「盗賊さんは…昨日倒したはずでは?」
「戯け・・・あれは単なる小童だろう。
頭はまだ悠々と塒にいる・・・と、そんなところだ」
「じゃぁ、銀雪鬼さんは残りを倒しに?」
「まぁ・・・そうとも受け取れるな」
「なら、私も御供いたします!!」
そう、元を正せば
盗賊退治を請け負ったのはセツナであり
セツナには最後までこなす責任と義務がある。
言い出すのは当然だ。
しかし、雪那は・・・
「・・・いらん」
「ぇ・・・でも・・・」
「いらん。
貴様では足手纏いになるだけだ」
「っ・・・確かにそうかもしれませんが・・・
でも!私だけここで悠々としているわけにはっ!!」
雪那の言葉に対し
セツナも負けじと食い下がる。
と、そんなところに
遠くからノソリンの足音が聞こえる。
「・・・ほぇ?」
「昨日の盗賊仲間であろう。
仲間が帰ってこないから確認しに来た…せいぜいそんなところか」
「では・・・」
「戦闘開始だな。
わざわざ心配して見に来たんだ…昨日より数も多いだろうし、
戦力も昨日のよりは強いはずだ」
「・・・そうですね・・・やはりわたっ…」
セツナの声をさえぎり尚も雪那は話を続ける。
「仕方ないから貴様も手伝え。
乗りかかった舟だ…手は貸してやる」
「ぁ・・・は、はい!
宜しくお願い致します!!」
こうして、戦いの幕は開く。
盗賊達が街へと到着する・・・。
「此処もだいぶしけてきたな…。
と、昨日此処にきたやつ等を見つけないとな・・・」
「ほぅ・・・やはり昨日の奴の仲間か・・・」
「だ、誰だ!」
バッと後ろを振り向く。
腕を組み、コツコツと靴の音を響かせながら
悠々と建物の影から雪那が姿を現す。
「お、女?
しかも、まだ餓鬼じゃねぇか」
「餓鬼や女だからと言って甘く見ないほうが貴様の為だと思うが?」
「女の癖に生意気な・・・。
それに、1人で何ができる?」
「生憎、私1人だけではない」
「何?」
「ご覚悟の程をお願い致します!!」
高らかな声と共に建物の上より男の上へと飛び降りてくるセツナ。
「ぐわぁっ!!」
「容赦は・・・致しません!」
「こう言う事だ…諦めろ」
「ふっ・・・所詮はたかが女2人・・・。
そんなもの我等に比べれば恐るるにたらんわ!」
セツナの下にいた男は勢いよく立ち上がる。
「うひゃっ・・・!?」
「はぁ・・・やはり軽く灸を据えてやらねばならんようだっ!」
バランスを崩して倒れそうになったセツナを片手で抱きとめ
きちんと立たせてから一気に前にでる。
「なっ・・・速っ!?」
「貴様等が遅いだけだ・・・」
目に見えぬ速さで敵陣の中心まではいると
背中の帯剣を抜き振り回す。
「消えうせろ・・・
『暗黒なるは孤高の焔
我が身魂を喰らえ・・・そして
その地獄業火で焼き尽くせ!
闇魔剣「黒炎龍」!!』」
剣を振り回した途端
辺り一面に黒い焔が燃え盛る。
その剣からは黒い焔と共に
空にまで届きそうな
黒き龍の幻影が見えた。
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