異界の少女―それぞれの出会い―
現在は、月が昇って
静かな夜が訪れている…。
セツナがミカの母より受けた頼みごと
それは
『でしたら、ここに来る盗賊を退治していただけないでしょうか?』
『…盗賊?』
それは盗賊を退治してくれという
思ってもいなかった頼み事だった。
『えぇ、ここ最近…
夜に山から下りてきては村を襲って…』
どうやら、話によると
盗賊は夜な夜な山から下り現れては
村を襲って
金銭類や食料を奪っていくとの事だ。
おかげで、村も衰退し
今では何とか自分たちの分だけ自炊して生きている状況なのだと言う。
『…分かりました。
私も生かされた命です。
お役に立てるよう頑張らせていただきます。』
こういった訳で、現在は家の影から
盗賊達のご登場を
今か今かと待っている状況である。
「…眠い…;」
閉じそうになる目を擦り
一定の方向を見つめつづける。
…すると
どこか遠くの方からノソリンの走る音がする。
盗賊とやらがようやっときたのであろう。
立ち上がり戦いの準備をする
音が近づく…
出て行くなら今だ!
「はぁっ!!」
盗賊達の裏手を取って奇襲をかける。
いきおいよく振り下ろした杖は上手く1人の男の後頭部にあたり
それが戦闘開始の合図となる。
まだ、冒険者なりたてのセツナにとって
今はこうして殴る等の攻撃しか出来ないが
それでも体が小さい為か素早く相手の攻撃をかわし、
的確に相手を沈めていく。
「これで…全部…かな?」
さほど強い訳ではなかったがこう大人数だと殴る方も一苦労だ。
少々息があがりつつ辺りを見渡し全員の気絶を確認していた。
が、その時
まだ完全に倒れていなかった一人がセツナの裏手を取り殴りかかろうとする。
「……!っ!?」
影に気づき後ろを振り向くも時既に遅し
相手の棍棒が振りおろされ…るはずだったのだが
それは未遂に終わる。
何故ならば・・・
ドスッ!
…遥か上空から何かが落ちてきた。
恐る恐る目を開けるとそこにいたのは
漆黒の服をまといしセツナと瓜二つな少女
違うと言えば瞳の色が緑色…と言う所だろう。
そして、もう1人
長身、長髪で紫色の髪を一つ縛りにした髪を持ち
白いマフラーに黒き和服
脇には刀を挿し
赤き目で自分を見つめている男。
「…着地場所…失敗だな」
セツナそっくりの女が口を開く
…一体、どこから来たのだろうか?
「おい…足元…」
「あ?」
女が足元を見る。
そこには先ほどセツナに襲いかかろうとしていた男が気絶していた。
「あぁ…どうりで足元が不安定だと」
男の体から降り
辺りを見渡す。
「…そこの女」
「ぁ、はいっ!」
いきなり声をかけられる。
張り詰めた緊張感で上手く声が出ない。
「近くに宿はないか?」
「わ、私は…旅の者なので…良くは知らないんです」
「…そうか。…黒識、今宵は野宿のようだな」
「俺の場合いつもの事だろ;」
冷静に男に言うと黒識と呼ばれた男はすかさず突っ込みを入れる。
「ぁー…今夜は冷えるぞー」
「Σ人の話を聞け!!」
黒識の言葉を軽くスルーし歩き出す。
と
「セツナお姉ちゃん!!」
ミカがたどたどと走ってくる。
「ミカさん…起きていたのですか?」
「うん…。
心配だったから」
セツナの事が心配でずっと起きていたらしい。
「…住民か?」
「…じゃねぇのか?」
「?…お姉ちゃんが…2人?」
こんな訳で事情を説明し、今夜はミキの家に止めてもらう事になる。
これが2人の出会い。
たった一度の
螺旋の交わり―
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