異界の少女―事の始まりは―
深く暗い
日が届かぬ暗い森
そこに少女はいた
「・・・食料…もうちょっと持ってくればよかったなぁ;」
深い溜め息。
何故、13か14歳程の少女がこのような所にいるかというと
事の起こりは30分前・・・
『はぁ……歩きつかれたなぁ;』
村を出て旅を続ける中
この深い森へと足を踏み込んでいた。
『に、しても…暗い;
……なんかでたりとか…ない事を祈りましょう;』
少女にとってこの森は怖いの他に何と言えようか
怖いものが大の苦手な少女にとって
この森は早く抜け出したいところなのだ。
…そう…抜け出したいところだったのだが・・・
『暗いし怖いし早く抜けよ……狸さん発見!!』
…大の動物好きでもありました;
『待って…ちょっ…狸さーん』
こうして狸を追いかけ始めた少女は
あれよあれよと言う間に道に迷った訳で…
「ははっ…狸さんいないし…」
現在にいたる訳である。
たいして食料を持っていなかった割に
結構な運動量
これでは腹がすくのも当然と言うものだ。
「今日でご飯食べないの何日目だろう?;」
その上当に食料は尽きているようで…
近くに街があるかも分からず
途方にくれている訳だ。
「ぁー……ちょっと…本当に危ないかも…」
木に寄りかかる
体力はもう限界に近いも同然。
よくもまぁ、こんなんで走り回れたものである。
「ぁ…本当…駄目…かも…;」
ゆっくりと瞼を閉じる。
視界が暗くなる…
目にはもう
光は届かない。
あれから何時間たったのか
或いは一日が経っているのか
遠くの方で声が聞こえる…
「ん……ぁ…?」
重い瞼が開く。
ここは…どこだろうか?
間の前に広がるのは真っ白な
真っ白な…
壁?
いや……天井だ。
「ぁ、お姉ちゃん起きた?」
横からヒョコリと可愛らしい顔を覗かせる。
「…ほえぇー!?」
なんともワンテンポ遅れた
間抜けな声である。
「……そ、そんなに驚かなくても…;」
髪が三つ編みにされた小さな女の子は目をパチクリさせる。
「ぁ…すいません;
ぇと…ここは?」
「ここ?
ここはねぇ、ミカのお家だよ♪」
「ミカ?
ミカさんと言うのですか?」
「うん、ミカ!
ミカ・グレース。お姉ちゃんは?」
「ぁ、申し遅れました。
私はセツナ・ハーウェットと申します」
「セツナお姉ちゃんだね!
分かった!!」
ミカと名乗った少女は明るい返事をし
その笑顔をセツナに向ける。
「……。
…さて、私は森に居たはずですなのですが…?」
ミカに優しい微笑を向けた後、
自分の行動を振り返る。
「ぁ、それね、ミカがお姉ちゃん連れてきたんだよ!」
要はこういうことである…
森の中で気絶
↓
ミカに発見される
↓
ミカに引きずられて村に到着
↓
ベットの上にて目を覚ます
↓
現在にいたる
「………Σも、申し訳ありません!!」
あまりの事に唐突に謝る。
引きずられてきただけあって体のあちこちに擦り傷があるが…
本人はあえてそこは気にしないようだ。
「ぇ、あ、ううん。
別にお姉ちゃんが謝る事でもないと思うんだけど…」
「いえ、そんな訳には参りません!
助けていただいたのにっ…!!」
と、力説の途中だが
腹がすいていた事をすっかり忘れていたのか前のめりに倒れる。
「ぉ、お姉ちゃん!?」
「…お腹…空いてたの…忘れてました…;」
「ま、待っててね。
今、ご飯持ってくる!!」
「す、すみませ…;」
それから一時間後…
「はぁ〜…ご馳走様でした!!
すっごく美味しかったです」
ミカが持ってきたシチューをすっかり完食し
満足そうに手を合わせる。
「これはまた…随分と食べましたねぇ」
「もう、何日も食べていなかったもので…;
それに、ミカさんのお母様の手料理も凄く美味しくて…」
「そう言って頂けると光栄ですね。
ところで…貴方はどこの人なのかしら?」
「ぁ、ここから東の地の出身で…。
今は冒険者として旅をしております」
「あら、冒険者さん?」
「えぇ」
しっかりと食器は片しつつ返事をするセツナ。
「さて…一宿(?)一飯の恩です。
何かわたしに出来る事はあるでしょうか?」
「何か…していって下さるの?」
「えぇ、お世話になりましたし。
それが普通と言うものでしょう。」
「だったら……一つだけ…
良いかしら?」
「お気軽にどうぞ」
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